PoE接続によって、アクセスポイント(Wi-Fi)やネットワークカメラに弱電力を給電することができます。
Ethernetと電力供給を同時に行なうことができる仕組みはネットワーク機器の設置場所に選択肢を与えることができます。
PoE(power over ethernet)は読んで字の如く、イーサネット回線に電力を乗せて接続します。
これは大局的に見たら小さなメリットなのかもしれません。
地味でありながらも、後々効いてくるのがPoE接続ですので、ぜひ最後までご確認下さい。
PoEの活用シーンを紹介します。と言っても、ある程度限られていて、使用するシーンとしてはアクセスポイントがメインで、あとはネットワークカメラを設置する時に使用します。
アクセスポイントは、コンセントから電気を取って使用するという概念がなく、LANケーブルから電気を取って、機器を使用します。
通常、アクセスポイントの場合は高いところ、視界に入らないところに設置する場合が多く、室内の構造上、そういったところにはコンセントがないことがありません。
なので、電源を確保することができず、そういった場合はPoEハブからLANケーブルを通じて電源を確保することになるのです。
ネットワークカメラの設置シーンでも頻繁にPoEを活用します。
全体を俯瞰して撮影することが求められるネットワークカメラは、どうしても高い箇所に取り付ける必要があります。
高いところに電源コンセントがないことや天井裏に配線を通すことが多いため、LANケーブルでネットワークと給電をセットでできると便利です。
PoEを使用するメリットを3つ紹介します。
1つ目は「余計な配線を必要としない」という点です。
企業のオフィスの机の裏やルータ周りが”見るに耐えない配線地獄”になっている会社をこれまでたくさん見てきました。
企業のオフィス、特にルータ周りでは、ONU、ルータ、ハブ、ビジネスフォンの主装置、サーバなどのネットワーク機器が置かれていて、電源やLANケーブルなど様々な配線が取り回されています。
企業のネットワーク管理者は、これ以上の電源や配線を増やしたくないというのが本音だと思います。
そこで、アクセスポイントを使用すればPoEで給電してネットワークも確保できるため機器の設置場所を選びません。
天井付近に設置したり、天井裏に隠したりすることも可能です。
2つ目は「電源コンセントを確保する必要がない」という点です。
ネットワーク機器を設置することを想定されたエリアには、通常多くのコンセントがありますが、それでも延長コードや電源タップで分配に分配を繰り返している状況です。
状況によっては、電源コードを一つ確保するのにも一苦労するケースもあるわけです。
そこで、ネットワークハブの代わりにPoEハブを設置して、そこから給電対応できる機器はLANケーブルで給電も兼ねたネットワーク接続をします。
それだけで、配線がスッキリして機器の管理もしやすくなります。
3つ目は「ネットワーク機器の設置場所を選ばない」という点です。
これがPoE接続の最大のメリットです。
Wi-Fiの電波は下の図のようにアンテナ(機器)を中心に同心円状に飛びます。
したがって最も効率よく電波を飛ばす方法は、部屋の中央部の天井に設置することになります。
LANケーブルを使用してPoE接続をすることで場所を選ばず、Wi-Fiの電波を効率的に飛ばすことが可能になります。
最後にPoEとセッションハブの違いについて解説します。
どちらもLANケーブルで接続をする点は同じですが、PoEハブの場合は、同時に電力もLANケーブルを通じて伝送します。
既にお気づきかと思いますが、LANケーブルは通信だけはなく弱電力も通すことができます。
PoEハブは通常のセッションハブと比較して高価格帯の商品群になります。
ですので、全てのセッションにPoEハブを使用する必要はなく、上の図のようにPoE非対応の機器もあります。
パソコンやサーバなどはLANケーブルからの給電では当然電力が足りず、専用の電源ケーブルが必要になります。
このような機器には、通常のセッションハブで問題なく、状況に応じて使い分ける設計が求められるのです。
関連記事